SPinfo エスピーインフォ

「走る屋台」豊橋冬の風物詩
おでんしゃ
豊橋鉄道東田本線(市内線)
愛知県豊橋市

20151216日制作
豊橋鉄道東田本線(市内線)は、豊橋駅前から運動公園前と赤岩口を結ぶ路面電車
途中に東海道(国道1号線)を走ったり、井原電停で「日本一の急カーブ」を曲がることで知られている。
1993(平成5)年から夏に「納涼ビール電車」が運行されて人気を集めていた。
そこで、「冬にも何か」という声に、「冬といえば、おでん。『おでんしゃ』だ!」と先に名前が決まった。
命名は思いつきだったが、「おでんしゃ」は商標登録され、オリジナルの愛称となった。


問題は、車内で熱々のおでんをいかに提供するか。
相談のすえ、ひもを引くと温まる釜飯用容器を見つけ、レトルトおでんを入れることにした。
2007(平成19)年に運行が開始。
当初は大手の市販品だったが、12年から地元の「ヤマサちくわ」が参戦。
豊橋特産の「うずら卵」や「青じそ」の練り物も入れようという同社の提案で、
今ではおでんしゃ専用パックを作って毎日届けてくれる。
地元の福井酒造は、1年目からオリジナルラベルのカップ酒を持ち込んだ。
お土産には毎年デザインが変わる特製升も。
冬だし1時間20分の車中ならと最初は缶ビール2本だったが、
お客さんの「もっと飲みたい!」の声で、3年目からガラスジョッキの生ビール飲み放題になった。


「おでんしゃ」の予約、それも団体の1両貸切ともなると予約は至難の業で、プラチナペーパーとなる。
予約受付初日は、電話回線がパンクして1時間以上繋がらない事はザラで、
予約の大半が初日に埋まってしまい、キャンセル待ちとなっている。
幸運にもタイミングが合って予約できた時がある。
乗車した時は、クリーム色に赤帯の懐かしい「豊鉄カラー」の電車・3203号車。
「貸切」の方向幕を掲げてやってきた。
「走る屋台」に相応しく、乗車口にはのれんと赤提灯が下がり、雰囲気を出してくれる。
飲んで歌って楽しい電車
車内では、生ビール飲み放題の他、未成年者とドライバーに配慮してソフトドリンクも積んである。
名物のおでんの他、色々なおかずの入った「おつまみ弁当」もあって、なかなか美味しそう。
発車すると、2名のサービス係と運転士から挨拶があり、乾杯となる。
運転士は、助役以上のベテラン限定で、7分間隔の定期運転車の合間を、運行ダイヤを乱すことなく低速で揺れないように走らせる。
おでんやビール樽(たる)の積み込みなど、本来の業務ではないことも引き受けてくれている。
そして乾杯となった後は、揺れる車内が心地よい酔いを誘ってくれる。いつしか車内ではカラオケ大会が始まった。
最新の通信カラオケを積載しているので、昔の曲から最新の曲まで幅広く楽しむことができる。
中には乗客同士で、即興の「デュエット大会」が開かれることもある。
井原電停を過ぎ、支線の終点である「運動公園前」で折り返し停車。
ここで約20分間、トイレ・タバコ休憩を兼ねた時間調整が行われる。
ここで、記念撮影する人も多い。
帰りの車内では、豊橋鉄道と協賛ビール会社提供の景品が当たるじゃんけん大会が開催される。
8年間で乗車累計2万人以上
当初は本数が22便だったが、今シーズンは7倍近い147便の予定。
それでも、なかなか予約が取れないという程人気がある。





おでかけの際は最新情報をお確かめください。

SPinfo エスピーインフォ